みかんバイトの体験談を書くにあたり、最新情報を確かめようと「みかんバイト」とネットで検索してみたら、「きつい」というワードが出てきて、おや?と思いました。
というのも、みかんバイトは数あるリゾートバイトの中でも、特にリピート率が高い人気の住み込みバイトなのです。

私のリゾバ経験の中でも「キロロのアニメーター」と1,2を争う、最高に楽しいリゾバ生活でした。
しかしよくよく思い返してみれば、確かに人によっては、みかんバイトを「きつい」と感じる人がいるのも分かります。
この記事では、私のみかんバイトの体験談に加えて、みかんバイトに向く人と向かない人の違いを私なりに紹介します。
みかんバイトの探し方・勤務地
みかんバイトの探し方にはいくつか種類があります。
- 地元の人向けの普通のアルバイト情報サイト
- リゾートバイト専門の派遣会社
- 地域の住み込みバイト募集ページ
- 経験者からの紹介
私が働いたときは、3番の方法で「真穴・みかん・住み込みバイト」と検索して出てきた<みかんの里雇用促進協議会>のページから問い合わせをして履歴書を送りました。
こちらのページです→愛媛 みかんバイト 真穴 | アートヒルズ

みかんバイトとして有名な勤務地は愛媛と和歌山があり、私は愛媛の真穴というところでやりました。
和歌山で探す場合には<グリーンサポーター>のページから応募できます。
こちらのページです→グリーンサポーター求人情報
私はみかんバイトのときには使いませんでしたが、いくつかのリゾートバイト専門の派遣会社にも求人が出るようです。
求人は早くて8月末くらいから出始めます。
引き続きコロナの影響もある今年はどうなるか分かりませんが、9月中に連絡しておけば、募集枠が埋まってしまってやれなかった、ということにはならないと思います。
みかんバイトの期間
みかんバイトの期間はだいたい11月10日頃から始まります。
遅くともクリスマス前までに摘み終わるようにする農家さんが多いので、その後の選別作業に加わったとしても年内にはほとんど終了します。
期間中は特に決まった休みは無く、雨の日が休みになります。
農家さんによっては、雨でも倉庫での選別作業をお願いされることがあります。

私はがっつりお金を貯めたかったので、逆にこちらからお願いして、積極的に選別作業にも加わりました。
雨がどれくらい降るかは年によってまちまちですが、私が行った年は、期間中に雨で丸1日収穫出来なかったのは8日間でした。
朝方までの雨で、その後晴れてみかんが乾けば午後から収穫という日もあり、寮で待機していて欲しいという場合もあります。
みかんバイトのおすすめポイント
「何かおすすめのリゾートバイトを教えて?」と言われたら、私の中で真っ先に候補にあがるのが、このみかんバイトです。
もちろん仕事なのできついこともありますが、「もう二度とやりたくない」とか「早く帰りたくて仕方ない」なんて意見は、私は聞いたことがありません。

私がおすすめして実際に行った友達も何人かいますが、みんな口を揃えて「楽しかった!」と言っていました。
みかんバイトのおすすめポイントは以下の5つです。
- もぎたてみかんが食べ放題!
- 農家の父さん・母さんが本当に温かい!
- 宇和海に沈む夕日が本当に美しい!
- 他のバイターとの交流がめちゃくちゃ楽しい!
- しっかり金が貯まる!
1、もぎたてみかんが食べ放題!

バイト期間中は、少なく見積もっても毎日20個以上のもぎたてみかんを食べていました。
元々みかんは好きでしたが、それでもあんなに味の濃いみかんを食べたのは初めてで、「みかんてこんなに美味しい食べ物だったのか!」と感動しました。

特に美味しいみかんは、底が菊のような模様になっていることを教えてもらい、そればかり選んで食べていました。
毎日それだけ食べていると、ビタミンCの採りすぎになるのでしょうか。気がつくと顔や手が黄色くなっていました。
※そのうち元に戻るので安心してください。笑
2、農家の父さん・母さんが本当に温かい!
私はたったひとシーズンしか働きませんでしたが、5年以上経った今でも、そのときお世話になった農家さんと直にLINEでやりとりするくらい仲良しです。
毎年段ボールいっぱいの蜜柑や蜜柑ジュースを送ってくれて、「本当に真穴のみかんは美味しいなあ」と毎年感動します。


バイトじゃなくても、また会いに行きたいなといつも思っています。
3、宇和海に沈む夕日が本当に美しい!

私が働いていた真穴という地域は、みかん畑のすぐ目の前に宇和海が広がっています。
段々畑の上から見渡す景色はとても気持ち良く、「こんな絶景の中働けるみかんバイトは最高だなあ」と毎日思っていました。
農家さんたちの話によると、特にみかん摘みのシーズンは夕日が赤く染まることが多いそうで、その夕日の美しさもみかんバイトで強く印象に残っています。
4、他のバイターとの交流がめちゃくちゃ楽しい!
コロナ禍により、今は使えなくなってしまっているそうですが、「マンダリン」という廃校を活用したバイターのための宿泊施設があります。
マンダリンでの楽しい生活は、とても分かりやすく説明してくれている記事を見つけたので、そちらを参考にしてみてください。
住み込み派遣バイトの寮が鬼楽しい!愛媛西宇和みかん支援隊のマンダリン寮

お世話になった農家さんとのLINEで聞いた話では、コロナの影響でマンダリンは閉鎖中。
ここ数年間は農家さんの家に住み込みしたり、農家さんが借りているアパートや一軒家に入ることが多いようです。
2022年度にどんな生活環境になるのかは、それぞれの求人サイトで問い合わせて確認しておきましょう。
5、しっかり金が貯まる!

みかんバイトは寮費無料・3食付きなので、しっかりと金が貯まります。
時給は1,000円で、最近のリゾバ時給の高騰ぶりからすると低めに感じますが、ストレスが本当に全然ないので、ストレス発散のための余計な散財がありません。
※他のバイターと楽しみすぎてお酒や観光に散財の可能性はあり!笑

普通に生活していれば、みかんバイト期間(一ヶ月ちょい)で25万円くらいは貯まります。
みかんバイトできついこと
私は超過酷なシャケバイにも何度も通った経験があり、割と肉体労働は得意なので平気でしたが、人によっては以下の3点が「きつい」と感じるポイントかなと思います。
- 農家の肉体労働
- 11月・12月の外作業の寒さ
- 仕事の丁寧さ・スピード
1、農家の肉体労働
仕事内容の項目でも詳しく説明しますが、みかんバイトは、肩や腰に負担がかかる作業が多いです。
運搬担当は山の斜面を何度も上り下りするし、収穫担当も脚立に登ったり、それでも届かなければ木に登ることも多く、足腰が鍛えられます。
みかんを入れたコンテナはおよそ20キロ弱あり、1日に100箱~150箱くらいは運ぶので、ある程度の体力は必要です。

ふだん運動をあまりしていない人は、1週間くらいは筋肉痛が続くかもしれません。
2、11月・12月の外作業の寒さ
みかん収穫の時期は11月・12月です。
晴れた日はぽかぽかと太陽の温かみを感じますが、基本的にはかなり寒いです。
しっかりと厚着をしていないと、手足の指先がすぐに冷たくなってきます。

地下足袋のサイズを少し大きめにして、厚手の靴下を履くのがおすすめです。
寒さ対策にはネックウォーマーも効果的です。
3、仕事の丁寧さ・スピード
みかんは少しでも傷がつくとそこから腐っていき、一緒に籠に入れている他のみかんにも移っていきます。
みかん農家さんが一年をかけて育ててきたみかんです。たとえバイトといえど、ひとつひとつ大切に扱わなくてはいけません。
それでいて、ベストな時期にすべてのみかんを収穫しないといけないので、スピードも求められます。

忙しさに追われすぎて、安全面の配慮が欠けてもいけません。
なんて偉そうに言いましたが、作業自体はすぐに慣れるので心配ありませんよ。
みかんバイトの仕事内容
みかんバイトの仕事内容は主に以下の3つです。
- みかんの収穫
- コンテナの運搬
- みかんの選別
1、みかんの収穫
農家さんからおおまかな範囲を指示されて、各自、紐のついたバケツ(収穫カゴ)を肩から下げて、みかん畑に入っていきます。
しっかりと熟したみかんを選び、ひとつひとつ丁寧に摘み取って、バケツに入れていきます。

これらはまだまだ青いのでスルーします。

このように一見熟したように見えるものでも、葉っぱを除けてしっかりと確認すると、根元がまだうっすらと青いものもあるので注意が必要です。
農家さんから借りた専用のはさみで摘み取っていくのですが、下の写真の赤丸のように、茎が長く残ってしまうと他のみかんに傷をつけてしまうので、出来るかぎり短く切り取ります。

肩に下げたバケツがいっぱいになったら、コンテナに移します。

女性は基本的に収穫の担当になります。
農家さんの知り合いも助っ人に来たりして、手早く収穫しながらも、わいわいとおしゃべりしながら楽しく働けます。
一日中みかんの入ったバケツを肩から下げているので、慣れるまでは肩が痛いです。
エリアによってはかなり急な斜面もあるし、木に登ったりもするので、思わぬ怪我をしないように気をつけましょう。
2、コンテナの運搬
運搬担当の人は、まずその日に収穫するエリアのあちこちに空のコンテナを置いていきます。
収穫担当の人たちが、そのコンテナの中に摘み取ったみかんをどんどん入れていくので、いっぱいになったコンテナから順次運んでいきます。
畑にはレールが張り巡らされているので、まずはこのレールの上を滑らせてコンテナを運びます。

さらに斜面には「モノラック」というエンジン付きの運搬装置があるので、これに載せて軽トラックが停まっている道路まで運びます。

私が働いた農家さんでは軽トラを2台所有していて、だいたい1日でその軽トラの荷台が全部埋まるくらいでした。(100箱~150箱)

男性バイターはこの運搬作業が優先で、収穫は手が空いたときに入る感じです。
収穫担当の多い農家さんではコンテナもすぐ溜まるので、運搬で行ったり来たりしているうちに1日が終わります。
畑によっては、レールやモノラックがなかったり、軽トラックまで遠いこともあるので、仕事のきつさは畑によってかなりばらつきがあります。
私は念のためこちらの腰ベルトを使っていました。
3、選別
収穫したみかんは、いったん倉庫に移します。
出荷する前に、サイズ別に分けたり、傷や色の悪いものを取り除くため、くるくると回りながら運ばれていく台の上でチェックします。


選別もとても大切な作業なのですが、じっと眺めているとだんだん眠くなってきます。笑
1日の流れ
お世話になる農家さんによっても多少の違いはありますが、だいたいこんな感じの流れになると思います。
6:00~起床・朝食
私は肉体労働系のリゾバのときは、毎朝ストレッチをしてから仕事に入ることに決めていたので少し早起きしていました。
マンダリン寮では専門のまかないスタッフがいて、朝晩の食事を用意してくれています。
バイキングのように、自分で好きなだけ取り皿によそって食べます。
※一人あたりの数が決まっているおかずもあります。
7:00~出勤
私は農家さんから軽トラを借りていて、直接その日作業する畑に出勤するスタイルでした。
細く曲がりくねった山道をぐいぐいと登っていきます。
7:30~午前の収穫開始
私がお世話になった農家さんでは、農家さんの知り合いが2人来ていて、合計5人で収穫作業をしていました。

ふと顔を上げるとこんな絶景が広がっています。

9:30~ちょっと休憩
忙しさや農家さんの気分次第で、10分から20分くらいの休憩が入ります。
農家さんが用意してくれたお茶を飲みながらおやつを食べたり、みかんを食べたり。
12:00~お昼
農家さんが毎日お弁当を作ってきてくれているので、受け取って一緒に食べます。
畑の中の時もあるし、道路に出て食べるときもあります。
寒い日はドラム缶に火を起こして暖を取る日もありました。

12:40~午後の収穫開始
午後も元気に働いていきます。
14:30~ちょっと休憩
また10分~20分程度の休憩があります。
16:00
収穫終了。キリが悪いときは少し延長することもあるますが、日暮れ前には山を下りられるようにします。
16:30
倉庫にみかんのコンテナを下ろしたら、基本は終了です。
農家さんはその後倉庫でみかんの選別作業をして、バイターは寮に戻りあとは寝るまで自由時間です。
マンダリン寮では、夕食は18時くらいから用意されています。

みかんの選別にも加わる場合は、1日の労働時間が8時間を超えるので残業扱いとなり、1.25倍の時給になります。
私が一番遅くまで働いたときで確か20時頃まで。空には星が輝いていました。

給料(いくら貯まった?)
基本的に収穫担当になる女性は時給800円で、運搬がメインの男性は時給1,000円です。
リピーターになると時給がアップすることが多く、何年も通っていて農家さんから任される仕事も多いバイターの中には、時給1,500円の人もいると聞きました。
前述のとおり、雨で何日休みになるかは年によってまちまちです。
どこの農家さんにお世話になるかで、残業の量や雨の日に選別作業をするかも変わるので、みかんバイターの給料は人によって結構変わります。
私が働いたときの日数や給料を公開するので参考にしてください。
期間 | 11/10~12/23(44日間) |
作業日数 | 38日(うち2日は雨で選別) |
休日 | 6日 |
時給 | 1,000円(残業時1,250円) |
総給料 | 362,000円+交通費25,000円 |
使ったお金 | 7,600円(観光・酒・おやつ等) |

私は残業も積極的にしていたので、給料は多い方だったと思います。
みかんバイトに向く人・向かない人
みかんバイトは、私にとっては1,2を争う楽しい最高に楽しいリゾバでしたが、人によってはきついと感じる人もいると思います。
みかんバイトに向く人、向かない人の違いを私なりに紹介します。
みかんバイトは自然を感じ、体をがしがしと動かす清々しさがあります。
農家さんたちが1年をかけて大切に育ててきたみかんの、一番最後の大切な収穫作業を手伝えることに喜びを感じます。

自分が摘み取ったみかんが全国の家庭に運ばれ、美味しそうに食べている人たちの姿を思い浮かべると、なんだかすごい仕事をしている気分になってきます。笑
体は疲れますが、「あー、今日もよく働いたぞ!」といった充足感が漲り、逆にどんどん元気になっていく気すらします。
農家さんや他のバイターたちとの交流がとても楽しく、これぞリゾバの醍醐味!と感じます。
運動系の部活の経験が無く、体力にも自信がない人がみかんバイトをやるならば、へとへとになることは覚悟の上で挑戦した方が良いです。
農作業は自然の影響をもろに受けるので、寒いし、日焼けもするし、服も汚れるし、虫もそれなりに見ます。

臭いカメムシや毛虫、蜂やアブ…虫を見る度に騒いでたら仕事になりません。
マンダリンの部屋は、病院の4人部屋のような感じで、カーテンで仕切られているだけです。
農家さんの家に住み込みになる場合や、農家さんが借りたアパートや一軒家を数人でシェアすることもあります。
よくある一人暮らし用のアパートに一人で住むような完全個室じゃないと嫌な人は、みかんバイトは難しいです。
みかんバイトはきつい?
「みかんバイト」とネットで検索すると、「きつい」というワードが出てくるので、興味を持ちつつも躊躇してしまう人がいるかもしれません。
しかし、私のリゾバ経験をじっくりと思い返してみても、特別「きつい」と感じるリゾバではありませんでした。
むしろ、農作業の魅力をたくさん感じられるし、バイターたちとの交流もリゾバの醍醐味が詰まっています。

「何か楽しいリゾートバイトはないかな?」と考えている人は、ぜひ一度挑戦してみて欲しいです!
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